30歳 美活男子の東京徒然日記

30歳男子の東京生活日記です。ただの日記ではなく、色々な情報を発信していきたいと思います!

上京前のお話⑪〜ドイツ留学時代 ヨーロッパ放浪の旅 中半~

先回、マドリードに無事到着しました。ここはスペインの首都であり、政治・経済の中心です。そして、地理的にもマドリードはスペインの真ん中にあるので、この街を拠点にあちこち周る予定でした。セゴビアコルドバ、トレド、カサブランカ、マラガ…思い出せないくらいたくさんの場所を訪れました。正直言うと、ドイツよりも訪れた場所が圧倒的に多いです。ドイツではあまり観光しなかったんです。特にドイツの典型的なイメージの南部に行かなかったから、あまりドイツのこと知らないんですよ(笑)だってその当時は留学終わってもすぐにドイツに戻る予定だったので。どうせ戻るからいつでも行けるやって思っていました。当時は無邪気でしたね。結局ドイツに戻れずに10年もの時が過ぎてしまうなんて、その時は思いもしないでしょう…。

さて、マドリードを拠点に各地を訪れて、次に向かうはスペイン東部の都市バレンシア。地中海に面した美しい都市でパエリア発祥の地。朝早くの電車に心踊らせながら乗り込むはずでした…。ここで先回話した最低な出来事に遭遇するのです!まだ薄暗い朝のマドリード、宿泊してたホステルをチェックアウトし駅へと向かいました。マドリードはあまり治安がよくありません。朝まで飲んだくれてる酒呑みやらヤク中、娼婦やらが彷徨ってます。もちろん僕も旅の中で最大限の警戒はしていました。野宿する時だって半分寝て半分は起きてました。正直、こんな素晴らしい旅の中で死ねるならそれでもいいか…くらいに思っていましたが、それは自らが決めること。何も知らない赤の他人なんかに自分の人生を閉ざされるのはごめんでした。だから無鉄砲な旅とはいえ、警戒はしてました。

駅へ向かう途中、歩く道先で4~5人くらいの若者達がはしゃいでました。多分夜通し酒でも飲んでいたのでしょう。関わること無く横をスルーするはずでしたが、突然僕の進行方向に立ちはだかってきたのです。立ち止まらざるを得ませんでした。彼らは陽気に話しかけてきました。

若者達「やぁ!君どこから来たんだい?」
僕「日本からだよ。スペインにはちょっとした思い入れがあってね。旅してるんだ。」
若者達「日本!遠くからよく来たね!旅を楽しんでってくれよ!」

文面だけ見るならとてもフレンドリーでいい奴らっぽいですが、会話した次の瞬間、突然肩組みしてきたんです!まるで有効の証だと言わんばかりに肩組みして踊り始めました。これはますます怪しい!…当然そう思いました。多分コイツらはスリで、観光客とかにフレンドリーに近づいてスリを働く、そういう手口なんだ。事実、奴らは僕の胸ポケットやらを色々と探ってました。感覚ですぐに分かりましたし、コイツらはスリが下手くそでした。馬鹿め、こっちは万全の対策で旅をしているんだ。お金は分散して、靴の中とか下着に貼り付けたりしてるし、貴重品はズボンとか服の中に縫い付けた専用の場所に隠してる。スリ対策は完璧なのさ!…そんな風に高を括っていたのです。

そして彼らは去っていきました。僕も予定の電車に乗り遅れないように足早に駅に向かいました。途中、時間を確認する為に携帯(海外使用可)を取り出そうとしました。今何時だろう?手間取ったな。えーと、携帯はいつものズボンの内側のポケットにあるから…ん?あれ?無いな…まさか!嘘だろ!?

そう、盗られたのはなんと携帯電話!まさかまさかまさか!もうその瞬間は頭が真っ白になりましたね。そしてすぐに来た道を戻り、さっきの連中を追いかけようとしました。しかし、すでに奴らはそこには居ませんでした…。

今振り返るとこの行為はかなり危険ですね。海外で物盗りにあったら決して追いかけてはいけない、もしかしたらその先に別の仲間がいるかもしれないし、南米なんかでは撃ち殺されるかもしれませんからね…。当時の僕でもそれは分かっていました。分かってはいたんですが、どうしても取り返さなくてはならない理由がありました。

あの携帯の中には、ドイツに留学してから撮影したたくさんの写真が入っていたのです。もちろんこの旅の中で撮影した写真もいっぱい…だから取り返さなくてはいけなかった。旅の日程はあとバレンシアに行き、その後バルセロナにいる友人のカルロスを訪ね、ベルリンに帰るだけでした。つまり、旅の中で撮影した大半の写真が無くなってしまったのです。そして携帯を無くしたことで今後写真も取れないし、デジカメを買うお金の余裕もありません。カルロスと連絡を取るのも出来ないし、海外対応可の携帯にしたことも仇となりました…。携帯の使用を停止するのに時間がかかり、その間に奴らに使用されてしまったのです。後に月約8万近い電話代を請求されるハメになったのです…。

とりあえず放心状態ながらも予定の電車に乗り込みました。先に進むしかありませんでした。しかし、今でも思い出しただけでブルーな気分になりますね…。後に分かったんですが、その時だけ携帯を胸ポケットに入れてしまってたんです。普段はちゃんとズボンの内側に入れてたんですが、その日は朝早くの出発で急いでいたので…。

ちょっと精神的に疲れたので続きはまたですね(;^_^