30歳 美活男子の東京徒然日記

30歳男子の東京生活日記です。ただの日記ではなく、色々な情報を発信していきたいと思います!

その発想はなかったわ(笑)

人の考え方や発想って人それぞれ違って本当に面白いです。自分ではとてもじゃないけど思いつかないようなことを、別の人は案外簡単に思いついてしまう。そんなことがあるからこそ、人は自分以外の人の考えや意見を聞くべきだと思うし、逆に聞かないともったいないと思うんです。だって、もしかしたら自分一人では死ぬまで考えもしなかった事が、すぐ隣の人の意見に耳を傾けるだけで発見できるから。だから、私は自分と違った考えや意見を持つ人の話を聞くのが好きなんです。

 

そう、色んな価値観や考え方を理解して受け入れる事はとても大切だし、私自身出来る限りそうして生きてきました。ええ、生きてきましたとも。外国語を学んだのも、なるべく色んな人の考えに触れたかったからというのが理由の1つです。そう、だから自分ではけっこう色々な物を受け入れる広い視野というものを持っていると思うのです。うん、そのはずだったのに…。

 

つい先月、はるばる遠くから親友君が訪ねてきてくれました。彼は立派な警察官。昼夜を問わず市民の安全を守る彼は私にとっても誇りです。決して税金泥棒などとは思ったことはありません。さて、そんな親友君ですが、親切にも手土産にワインを2本持ってきてくれたのです。私がワインが好きなことを知っての手土産。実に気が利くではありませんか!そしてさらに親切なことに土産2本のワインをブラインドテイスティングさせてくれました。うん、最近ソムリエとしての感が鈍るどころか錆びついてきてたので、これは良い機会。ありがとう、親友君!

 

ちなみに2本とも赤ワイン。自分の味覚嗅覚を最大限まで高めて明後日の方向を見ながら親友君の抜栓を待つ。そして親友君が手渡してくれた1本目のワインを見る。うーむ、外観は透き通るような淡いルージュ。とにかく透き通るような淡さで、この時点でブドウの特徴がよく表れている。とまれ、ここでブドウ品種を断定するのは時期尚早!テイスティングのコツは、「初めから答えを断定せずに幅広く選択肢を持つこと」なのです。初めのうちはブドウ品種、産地、ヴィンテージを当てようとするあまり、答えを早めに出そうとしがちになります。しかし、それでは狭い視野で断定的にしかワインを判断出来なくなってしまいます。仮にそこでたまたま当たったとしても、それは本当にたまたま当たっただけで、そのワインの本質を的確にとらえられているとは限らないのです。逆に言えば、品種や産地などは別に外れても問題ないとさえ思います。そのワインの本質さえ的確にとらえられて、かつ、それをお客様に提供出来さえすれば。

 

さて、次は香りをチェック。黒色の果物というよりは、赤色の果物の香りを感じる。そして複雑さよりもブドウ本来の香りをシンプルに感じる。お味のほうはいかがだろうか?…うーむ、果実味はしっかり感じるが、同時に豊富でチャーミングな酸味を感じる。舌の奥に残るタンニンはあまり感じないので量は多くないと思う。余韻は短め。総合的に考えると、色素がかなり淡いので、冷涼な気候で育てられたブドウで、果皮も薄めで醸しの期間も短めなのかなぁ。香りは熟成からくる香りや樽香も感じられず、ひたすら果実由来のシンプルな香りがするので旧世界(ヨーロッパ)よりも新世界(ヨーロッパ以外)のワインだと思う。味わいはとにかく生き生きとした酸味を感じたので、まだ若いワインか元々酸味を豊富に含んでいるブドウを使ったワインなのかな。ただ、色調を見ると若々しいワインにみられる紫の色素もなかったし、これだけ透き通る色調で酸味も豊富ならば、若さ故にくる酸味というよりブドウ本来の特徴としてとらえた方が正しいだろうと考える。よし!答えは出たぞ、親友君!答えは、品種がピノ・ノワール100%。国はニュージーランド。ヴィンテージは2014。…どうよ?

 

結果はヴィンテージが2015を除いて、正解しました!その時は当ててめちゃめちゃ嬉しかったんですが、今思うとさすがにこれはソムリエとして外せない常識問題でしたね。っていってもヴィンテージ間違っとるし(^^;) そして、親友君が差し出した2本目のワイン。このワインに関しては見事に全部外しました(笑) 南アフリカの複数の品種をブレンドして造られたワインだそうで、そんなの私にゃ分かりません(>_<)

 

いやぁ、でも美味しかったです♪ 私の為に気をつかってワインを手土産にくれて、おまけにブラインドテイスティングまでしてくれた親友君。彼には本当に感謝感謝♪ さて、ここで晩飯を食べに出かけようという話になったので、残りのワインはまた後でちびちび楽しむことにしました。しかし、しっかりと頂いたワインの栓をして出かけようとしたその時、少し異変に気付いたのです。

 

あれ?ニュージーランドのワインのコルク栓がない。おい、親友君。抜栓した時のコルクはどうしたんだい?…彼は、知らないの一点張り。え?じゃあそこら辺に転がっとるんじゃないかと見渡しても見つからず…。ん?待てよ。確かニュージーワインって赤ワインもほぼほぼスクリューキャップが使用されていたような。でもスクリューキャップもないし、ブラインドテイスティングの時もスクリューキャップを開栓したような音もしなかったし…。おかしいなぁと思って、酔った状態ながらも冷静にワインに目をやると、なんとも信じがたい恐ろしくも可笑しい光景を目にしたのです…。

 

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!? ちょっとぼやけて分かりにくいか…

 

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!? まさか…えぇ、まさか!我が目を疑って二度見どころか何度も見てしまった。そしてはっきりと理解しました。彼は手で捻れば簡単に開けられるスクリューキャップをわざわざコルクを抜栓するようソムリエナイフを使って開けたのだ、と。この事実を認識したのち、私は腹から笑いがこみ上げて爆発してしまうことになるのですが、中々に値段のする私のソムリエナイフでこのような蛮行に及んだと知った時、あまり笑えたもんでもないなぁ…って、自分の笑いの沸点の低さを恨めしくも思うのでした。いや、まぁあまりに面白かったのでそんなこと全然気にしないけどね(笑) ちなみに親友君はお酒をほとんど飲みません。だから自分でお酒を買うこともありません。ワインなんて私への手土産以外では買いませんので、ワインボトルの構造もよく分からなかったのでしょう。彼は赤ワインは全てコルクで栓がされていると思っていたようで、抜栓時もスクリューキャップの固さと格闘しつつもすごいスピーディにソムリエナイフで抜栓してくれました。

 

人の発想や考え方は実に多様です。だから常識も人それぞれ。それ自体はとても良いことだと思うし、その多様性をなるべく広く受け入れようという私の姿勢は今後も決して変わりません。でもね、親友君。さすがにその発想はなかったわ(笑)