30歳 美活男子の東京徒然日記

30歳男子の東京生活日記です。ただの日記ではなく、色々な情報を発信していきたいと思います!

ソムリエ試験を独学で合格する方法② ~ソムリエ試験は独学でも十分に受かります~

先回、ソムリエ試験を独学で合格する為の最低限の考え方を述べました。ようは、「必ず受かってやるって強い心」と、「ワインを趣味で楽しむから、ワインのプロになる為に勉強する」という考えにシフトチェンジしていく。この2点が重要だとお話ししました。言い忘れましたが、たまには息抜きの為にワインを純粋に楽しんでくださいね!

さて、今回は僕がソムリエ資格取得を目指してから合格に至るまでの経緯を話しましょう。そもそも、僕が何故ソムリエ資格取得を目指したのか。こう言うとソムリエの方に怒られるかもしれませんが、実はソムリエに関してそんなに強い想いがあって目指した訳では無いんです。
たしかに飲食業に入った時にぼんやりとですが、すでに自分がソムリエの資格を取得してる姿を思い浮かべていました。でも、それは自分がソムリエになりたかったからではなく、せっかく飲食の世界に一度入ったなら、何か1つの「目標」が欲しかったんです。しかも、その目標は明確であればあるほど良い。資格という目に見える形であればなお良い。ソムリエ試験はそんな目標にうってつけの試験でした。ただダラダラと飲食のお仕事をやりたくはなかったんです。なので、今でも僕は自分のことをソムリエだなんて思っていません笑 僕みたいなのがソムリエなんていったら、現場で働かれている本物の方達に失礼です^^;

そんな感じでソムリエになりたいという強い想いはありませんでしたが、目標を達成してやるという想いは強かったです。試験を受ける3年前くらいからはすでにぼんやりと勉強開始の時期なども思い浮かべてました。では実際の流れを見ていきます。

2013年4月
飲食業の世界に入る。この時すでにぼんやりと3年後のソムリエ試験受験を思い浮かべていた

2014,2015年
ワインに関する本を何となくは読んでいた。しかし趣味程度にしか触れていない。内容もさほど理解することなく、流し読み程度。色々自分でワインを買って飲んだりもしたが、ほぼ全て1000円代。2000円代のワインなんて僕にとって高級品。

2016年1月
受験条件の実務経験年数を満たす。いよいよ出願。

2月~5月
教本を読み始める。とはいえ、とても分厚くていきなりは読む気が失せるので、教本の要約版として「30日間ワイン完全マスター 塚本悦子著」を主体に知識の整理を図る。

6月~8月一次試験まで
コンパクト本でソムリエ教本の内容の「全体図」を理解する。このおかげで、なんとか分厚い教本にも立ち向かえた。勉強で使う本の主体をコンパクト本から教本にチェンジ。GW後から本格的に教本での勉強開始。
7月下旬頃から、2次のテイスティング試験の準備もやり始める。ネットで情報収集し、一次試験合格後にすぐにテイスティングの勉強に入れる体制を作る

一次試験終了~一次合格発表~二次試験まで
一次試験も終了し、教本から離れられる、やった〜!…っと思いきや、なんと突然の論文試験実施告知。結局教本から離れられず…。二次試験開始の2週間前までには試験用のワインを購入。テイスティングは短期集中で身体に身に付けさせた。一週間前にはハードリカーのテイスティング勉強も行なう。

二次試験終了~合格発表~三次試験まで
二次試験合格発表時はかなり安堵した。ここまでくればゴールまであと少し。サービスの訓練は勤務先でオーナーやお客様に協力してもらったり、自分の部屋を実際の試験会場に近いセットにアレンジしたりして、繰り返し身体で覚える。

三次試験終了~合格発表
やったーっていう嬉しい気持ちより、長かった…って疲労感が半端なかったです。

以上、合格までの流れです。この流れの中で、合格に必要なことをいくつか挙げてみましょう

①簡単なワイン本で幅広くワインの知識に触れる~知識の土台作り~
まず、なんでもいいのでワインに関する本などを買って読んでください。この段階で注意してほしいのは、やたら分厚かったり、専門的すぎたり、1つの国だけや一地域しか取り上げてない限定的な本は読まないこと。広く浅く読むことで知識の土台作りをしてほしいのです。ワインに詳しくない人はもちろんのこと、詳しいという人も同様に広く勉強することで、全体像をつかんでほしいのです。ここでいきなり試験用のワイン本や教本に突っ込んでいっても、間違いなく最後まで読むことなく家の本棚にただコレクションされるだけになってしまいます。簡単なもので十分だし、むしろその方が良い。この段階で重要なのは、ワインの事に何かしら触れていることなのですから。

②趣味のワイン本から、試験用の要約本へのシフトチェンジ
①の段階でワインに関する知識を幅広く勉強したら、次は試験を意識した勉強にシフトチェンジしていきます。具体的には、趣味のワイン本ではなく、「ソムリエ・ワインエキスパート受験」を謳った本を主体に勉強していきます。さすがに、①で使用していた本のみで独学で受かるのは厳しいです。趣味は趣味、試験は試験と、それぞれの目的に合った教材選びが何より大切なのです。とはいえ、数ある本の受験対策本の中からどれを選べば良いのでしょうか?スクールに通ってる人であれば配布されるテキストや教材がそのまま対策に使えますが、独学となると自分で選ばなければいけません。結論からいうと本屋さんに行って本をパラパラとめくってみて、一番自分が使いやすそうなものを選べばよいのです。ですが、本もどれを選んでいいかわからないという方に私がおすすめする本が、前述した…

「30日間ワイン完全マスター 塚本悦子 著」

です。
こちらの本は、教本の内容が非常にコンパクトに分かり易くまとめられていて、かつ、他の教材よりも読みやすい印象を受けました。サイズも持ち運び易いので外出先の合間の勉強にも使いやすかったです。ただ、欠点もありまして、誤表記がかなり多かったのです。なので、辞書的に教本を傍に置いて、かならず教本とセットで確認しながら勉強するようにしましょう。とはいえ、その教本ですら僕が受けた2016年度は誤表記のオンパレードでした…。

③要約本を一通り終えたら、一度過去問をやってみる
過去問で演習をする。これはどの試験でも鉄則です。相手に勝つには相手の事を少なからず知る必要があります。受験者にとって試験とは勝たなければならない相手です。なので、かならず一度は過去問を解いてみましょう。過去問を解く目的は主に次の2つ

1.過去の出題傾向を分析することで、試験の内容・レベルを理解し、さらに出題されうる問題をある程度予想し、それに見合った自分の勉強計画を立てる。
2.現時点での自分の知識の定着度の確認。これにより自分の弱点とする分野を明確にし、そこを重点的に試験日まで対策をする。

まず、ソムリエ試験がどんなものかという事を知らなければ勉強のしようがありません。そして一次試験の内容も全く知らなければ、どこまで勉強しなきゃいけないのかという見通しが立ちません。それを把握するためにも必ず過去問はやる。なので、要約本を一通り終えた段階でなくても、一番初めの段階で過去問をやっても別に良いわけです。目的は相手を知ることだから。ただ、知識が全然定着してない段階で早くやりすぎると、問題が解けなさすぎて自信ややる気を失くして勉強しなくなる恐れがあるので、ある程度全体をざっくり勉強したこの段階がベストかなって思います。ちなみに過去問はだいたいの受験本にはその年の前年に出題された過去問一年分が載っていると思いますが、もっと解きたいという方は「ワインとグルメの資格と教室 ムック出版」に過去5年分の過去問が掲載されていますので、そちらをおすすめいたします。

④要約本から教本主体の勉強へ~最終段階~
いよいよ最終段階です。ここからはいよいよあの分厚い教本を主体に勉強していきます。ここまでくると、最初は頭を悩ませた要約本がなんだったのかと思えるくらいに余裕が出来てきます。結論をいうと、教本を辞書的に使って要約本をボロボロになるくらいまでやり込めば、一次試験は突破できると思います。じゃあ別に教本なんて辞書程度に使えばいいじゃないかと思われるかもしれません。確かにその通りです。ですが、僕はあえて教本主体に切り替える勉強をおすすめします。それは、僕自身が実際に受験してそう感じたからです。

まず、僕が受験した2016年度は、ソムリエ試験にとってのある種激動の年でした。会長も変わる試験制度も変わる、バッジも変わるでまさに「変化の年」でした。ワインアドバイザーも廃止になりましたしね!そしてそんな変化は一次試験の内容にも当然影響を及ぼしました。このように…

・従来王道であったフランス・イタリア、新世界の問題の出題数が減る
・公衆衛生からの出題なし
・過去に出題がほぼなかった東欧諸国の問題が各国から1問ずつ程度出題される
・日本酒に関する問題が露骨に多く出題された。しかも、論文試験にまで「ひやおろしについて説明しなさい」という問題が出題

ひどいものでしょう?笑 王道であった出題国の問題は減り、まさか東欧がそんなに出題されるなんて、ほとんどの人が思っていなかったでしょう。日本酒に関しては、新会長の田崎さんが日本酒大好きなので、日本酒の問題が増えるんじゃないかという噂は囁かれていたのですが、まさかこんな露骨に、しかもけっこう細かい内容が出るとは思いませんでした。極めつけは論文試験にも出題してくるんだから…どんだけ日本酒押しなんでしょう笑 

そんな変化変化の試験でしたが、幸運にも僕は全て対応することが出来ました。いえ、幸運ではありませんね。対応出来て当然でした。なぜか?そう、教本を主体に勉強し、教本を読み込んでいたからです。上記で述べた変化の全ては、教本に記載されているので、教本を読んでいれば対応することは十分に可能であったのです。教本以外の多くの受験本は従来の王道の出題傾向にのっとったものでしかなく、東欧諸国の説明はほとんど触れていないか、触れてても代表的な地名と数行程度の説明のみだったでしょう。日本酒に関しても、受験本ではそこまで日本酒にページを割けるわけないので、あまり多くのことは書けません。もし僕が、教本を使わず要約本だけをやり込んでいた場合、とてもじゃないけど上記の問題は解けなかったです。だって要約本には軽く説明があるだけで、どうせ重要じゃないからスルーしてもいいだろうって思うからです。ひやおろしなんてまず説明出来ません。特別日本酒が好きってわけじゃないので。

上記の経験を踏まえて、やはり最終的には教本主体に勉強していくのがいいとは思います。600P近くある教本の内容全て暗記しろというのではありません。ここまで勉強してくると、教本の内容でも必要なところとそうでないところがなんとなく分かってきます。ヨーロッパはワイン制度の深い内容まで出るが、東欧は深くは出ない。でも、概要や浅い部分は出そうだから、浅くおさえておこう、といった感じに。ただ、2016年度の変化を受けて各ワインの受験本もそれに対応したものとなっていれば、受験本を主体にやり込んでもいいかもしれません。

さて、長くなりましたが一次試験の独学合格法の説明はこれで終わりです。次回は二次・三次試験の独学合格法についてお話ししたいと思います!