30歳 美活男子の東京徒然日記

30歳男子の東京生活日記です。ただの日記ではなく、色々な情報を発信していきたいと思います!

雪降る都心の街中で ~ブライダル・ジュエリー~

本日、東京都心は雪模様。

それもどんどん勢いを増しつつある。このままいっそ全てを白く染めて、何もかも白紙に戻してくれ!…そんなふうに願わざるをえないくらい、降り続いている。都心の景色に雪なんて似合わないだろうと思っていたが、いやはや、普段無機質に佇んでいるあの灰色の建物群が白く彩られていく風景は思いの外風情があるではないか。「白銀」と表現するにはオーバーかもしれないが、そのように形容しても今日の東京の街並みには差し支えないだろう。しかし、あぁ…。降り方が予想以上にひどい。交通機関が大混乱するのは必至。聞けば、東京に4年ぶりに大雪警報が出ているようだ。風情に限らずある種の美徳は適度さが大前提である。この都心の雪はすでに美徳さの範疇を超えて、自然界の暴力的な面を都民に見せている。あぁ、お願いだから明日の朝の通勤の邪魔は極力しないでね!

そんな激しい雪の中ではあるが、「不要不急の外出は控えろ」なんて、現代日本で働く我々にとってあまりに現実味に欠ける警告を少しは改めよ!…と言いたい気象予報士の言葉を、私も無視せざるを得ない。今日は用事で飯田橋付近を歩いていた。

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この写真を撮った時点でも雪の勢いはかなり強かったが、今はさらにまずいことになっている…。

さて、そんな雪の中で飯田橋を歩いていると、いきなり声高な声が耳に入ってくるのであった。

「すみません…、すみません、すみません!!」

…ん?もしかして私に声をかけているのか?少し声の方向に振り返ると、寒さに凍え顔を少し引きつりつつも、愛らしい笑顔を浮かべた一人の女性が私に声をかけてきたのだと認識した。あぁ、こんな最悪な天気の中で早々と歩く人間を呼び止めるか普通!?一瞬無視して歩き去ろうとしたが、その声掛けというか呼び止めがあまりに必死だったので思わず足を止めてしまった。路上を歩いていてて何かしら声をかけられることは上京してからも何度かあったが、ここまで必死に呼び止められて、しかもこんな天気の日にそのようなことをしている子は、キャバクラや居酒屋の客引き以外には見たことがなかった。いや、客引きの子ですらこんな天気の日に外に出てるのは見たことがない。

「すみません!お時間良いですか?30秒だけでいいんです!軽いアンケートに答えてもらいたいんです。レ点をチョンって!軽くチョンってつけてもらうだけでいいんです!ちょっと、とりあえず屋根あるとこ行きましょ!」

寒い中ご苦労なことである。まぁ、急ぎの用事なんてないから軽くチョン!くらいならいいだろうと思い、雪の中健気に頑張る彼女の気持ちに応えてあげようと思ったのであった。私が散歩好きなのも、こういうちょっとした面白いイベント事があるからなのだ。車や自転車では、中々経験できまいに。

「ふぅ…。雪、やばいですね!こんなにひどくなるなんて思いませんでした。あ、わたし実は銀座のブライダルジュエリーショップで勤務しているものなんですが、独身の若い男性を対象にアンケートを取っているんですけど、失礼ですが、今現在独身ですか~?あ、ちなみに今おいくつですか~?…え?もう30歳?!信じられない!てっきり同い年くらいに思ってめちゃ馴れ馴れしく話しかけちゃいました…。あ、ちなみにあたし今年で26です♪」

今回はアンケートの依頼の模様。ブライダルジュエリーのアンケートかセールスみたいだな。声掛けには慣れているし、可能な限り誠実に対応して話を聞いてあげる。それが私、八雲正一のスタイルでございます。とはいえ、今回の声がけは中々に異質であった。まず、めちゃめちゃ必死に声をかけてきたこと。そして、30秒という建前上の短い時間を提示してきたのだが、やたら自分の事をべらべらと赤の他人の私に話してきたこと。しかもやたら馴れ馴れしい。ただのアンケートなのに、彼女は自分の勤務先以外に、LINEの連絡先や個人的な携帯番号やアドレス、住んでいる場所まで会話の流れで私に教えてきたのだ。まぁ、彼女の言った情報全てが本当かどうかは疑わしいし、私にはどうでもいいことだ。大学在学中にホストの経験をしたこともあり、彼女の接客や会話の仕方に妙にキャバ嬢染みたものを感じ、警戒。表面上は笑顔で対応しつつも、内心疑心暗鬼になりながら彼女の前を去った。結局、10秒どころか20分くらい時間を取られてしまった。

後に彼女からショートメールで連絡があった。一応電話番号を聞かれたので教えてあげたのだ。まぁ、私は男だし、別に電話番号くらいは教えても問題ないかな?って思ってね。彼女のメールの内容は簡単なもので、自分の勤め先のHPのアドレスと、個人的に会いたいという内容のものであった。実際にHPのURLを調べてみると確かにその会社は存在していた。なるほど、彼女は確かに真っ白な雪のように純粋であるようだ。これから結婚するであろうカップルの幸せを願い、結婚という人生最大の幸福の時を華やかに彩るお手伝いをしたいと願う、純粋無垢な心を持つ女性。そんな彼女の愛らしい笑顔は大雪の中でも実に温かいものであった。

~あなたの人々の幸せを願う心こそが、宝石(ジュエリー)なのだ~

ふむ。ちょっと上手い事言ったつもり。あ、でも絶対連絡はしませんし、会いませ~ん。やっぱ、なんか怪しいわ!

せーいち